商用車の運用コスト、77.4%が増加を実感──環境対応施策の半数以上は「かえってコスト増」【自社調査】
結論:2025年12月に実施した自社調査(商用車を運用する企業の車両管理担当者341名対象)によると、直近3年間で商用車1台あたりの運用コストが「やや増加した」(58.9%)「大幅に増加した」(18.5%)を合わせ、77.4%(n=341)がコスト増を実感しています。最大の要因は「燃料費の高騰」(59.5%)でした。さらに、エコドライブや低燃費車導入などの環境対応施策を実施している事業者(n=266)に限っても、54.1%が施策の運用によってかえって運用コストが増加したと感じているという結果になりました。今後の環境対応で最も検討したいのは「エコドライブ・運行管理の最適化」(39.6%)で、商用EV導入の障壁としては「車両本体価格の高さ」(42.8%)が最多でした。
本記事では調査結果の詳細と、そこから見える商用車運用コストの実態を整理します(本調査は自己申告に基づくアンケートです)。
執筆:株式会社CUBE-LINX(公開日:2026年9月11日)
目次
1. 調査の背景:「環境対応」と「コスト削減」という2つの課題
カーボンニュートラル実現に向け、企業には脱炭素経営が強く求められる一方、燃料価格の高騰などを背景に事業コストの削減も急務となっています。特に事業活動に不可欠な商用車の運用においては、「環境対応」と「コスト削減」という2つの課題が同時に浮き彫りになっており、多くの企業がこの環境とコストのジレンマに直面している可能性があります。そこで、商用EV・充電インフラの導入支援を専門に行う株式会社CUBE-LINXは、商用車を運用する企業の車両管理担当者を対象に、コストや環境施策に関するリアルな課題を明らかにする調査を実施しました(プレスリリース全文)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査期間 | 2025年12月18日〜12月22日 |
| 調査方法 | インターネット調査 |
| 調査対象 | 商用車を運用する企業の車両管理担当者(20代〜50代の男女) |
| 調査人数 | 341名 |
| モニター提供元 | RCリサーチデータ(調査会社) |
2. 商用車の運用コスト:8割弱が直近3年間で増加を実感
直近3年間で商用車1台あたりの運用コスト(燃料費、メンテナンス費など)がどのように変化したかを尋ねたところ、次の結果となりました。
| 回答 | 割合 |
|---|---|
| 大幅に増加した | 18.5% |
| やや増加した | 58.9% |
| やや減少した | 17.9% |
| 大幅に減少した | 4.7% |

「やや増加した」と「大幅に増加した」を合わせると77.4%に達し、商用車を運用する企業の車両管理担当者の8割弱が、直近3年間で運用コストの増加を、程度の差こそあれ実感していることがわかりました。
3. コスト増加の最大要因は「燃料費の高騰」
運用コストの増加を実感していると回答した人(n=264)を対象に、最も大きな要因を尋ねたところ、以下の内訳となりました。
| 順位 | 回答 | 割合 |
|---|---|---|
| 1位 | 燃料費の高騰 | 59.5% |
| 2位 | 車両メンテナンス費の増加 | 13.6% |
| 3位 | 保険料・税金・法定費用の増加 | 12.5% |
| 4位 | 故障修理費の増加 | 7.6% |
| 5位 | 駐車場代の高騰 | 6.4% |
| – | その他 | 0.4% |

「燃料費の高騰」が59.5%と突出して多く、他の要因(メンテナンス費、保険料・税金、故障修理費、駐車場代など)を大きく引き離す結果となりました。
4. 実施している環境対応施策:エコドライブ・運行ルート最適化が上位
現在実施している商用車の環境対応施策を尋ねたところ(複数回答可)、回答は以下の通りです。
| 順位 | 回答 | 割合 |
|---|---|---|
| 1位 | エコドライブの実践・推進 | 38.7% |
| 2位 | 運行ルートの最適化 | 35.5% |
| 3位 | 低燃費・低公害車の導入 | 34.9% |
| 4位 | 電気自動車の導入 | 19.1% |
| – | その他 | 0.3% |
| – | 特にない | 22.0% |

最も多かったのは「エコドライブの実践・推進」で38.7%、僅差で「運行ルートの最適化」が35.5%と続き、追加投資を伴わないソフト面の対策が上位に並びました。「低燃費・低公害車の導入」(34.9%)や「電気自動車の導入」(19.1%)といったハード面の対策も一定数実施されている一方、「特にない」も22.0%存在します(EV導入をご検討の場合は利用できる補助金の解説記事もあわせてご覧ください)。
5. 環境対応施策の運用コスト:半数以上が「かえって増加」と回答
何らかの環境対応施策を実施している事業者(n=266)を対象に、施策の運用により商用車1台あたりの運用コストがどのように変化したかを尋ねたところ、回答は次の通りです。
| 回答 | 割合 |
|---|---|
| 大幅に増加した | 9.4% |
| やや増加した | 44.7% |
| やや減少した | 41.0% |
| 大幅に減少した | 4.9% |

「やや増加した」(44.7%)と「大幅に増加した」(9.4%)を合わせると54.1%に達し、環境対応施策を実施している事業者の半数以上が、施策の運用によって、かえって運用コストが増加したと実感していることがわかりました。一方で「やや減少した」(41.0%)「大幅に減少した」(4.9%)を合わせた45.9%も一定数存在しており、施策の内容や実施状況によってコストへの影響は分かれることがうかがえます(本調査は施策の種類別にコスト影響を分析したものではなく、どの施策が効果的かまでは示していません)。
6. 今後強化したい施策は「エコドライブ・運行管理の最適化」
今後、商用車の環境対応施策を行う場合に最も導入・強化を検討したいものを尋ねたところ、回答は以下の通りです。
| 順位 | 回答 | 割合 |
|---|---|---|
| 1位 | エコドライブ・運行管理の最適化 | 39.6% |
| 2位 | ハイブリッド車の導入 | 32.3% |
| 3位 | 電気自動車の導入 | 10.8% |
| 4位(同率) | 燃料電池車の導入 | 7.9% |
| 4位(同率) | 充電・水素充填インフラの整備 | 7.9% |
| – | その他 | 1.5% |

最も多かったのは「エコドライブ・運行管理の最適化」で39.6%と、追加投資を抑えられる施策への関心が引き続き高いことがわかります。一方「ハイブリッド車の導入」も32.3%と高く、「電気自動車の導入」(10.8%)や「充電・水素充填インフラの整備」(7.9%)は、エコドライブやハイブリッド車と比べるとまだ関心度で先行していない結果となりました。
7. 商用EV導入・強化の障壁は「車両本体価格の高さ」
今後商用EVの導入・強化を行う場合の障壁や懸念点を尋ねたところ(複数回答可)、次の結果となりました。
| 順位 | 回答 | 割合 |
|---|---|---|
| 1位 | 車両本体価格が高い | 42.8% |
| 2位 | 充電設備設置費用が高い | 29.3% |
| 3位 | 公共充電設備の少なさ | 28.2% |
| 4位 | 社内充電設備の設置場所・スペースの確保 | 26.4% |
| 5位 | 運行効率への影響 | 21.1% |
| 6位 | 何から始めて良いかわからないこと | 19.1% |
| 7位 | 導入・強化を行う時間や人のリソース不足 | 18.5% |
| – | その他 | 17.3% |

最も多かったのは「車両本体価格が高い」で42.8%、次いで「充電設備設置費用が高い」29.3%、「公共充電設備の少なさ」28.2%と続き、上位は車両価格と充電インフラに関わるコスト・整備状況の課題が占めました。「社内充電設備の設置場所・スペースの確保」(26.4%)も4位に入っており、費用面だけでなく物理的な設置条件も導入検討の障壁になっていることがわかります(活用できるEV導入補助金の解説記事もあわせてご覧ください)。
本調査の結果からは、多くの企業が燃料費高騰による運用コスト増に直面し、環境対応施策を実施してもなお過半数(54.1%)がかえってコスト増を実感しているという、環境対応とコスト最適化の両立の難しさが浮き彫りになりました。商用EVの導入は、エコドライブやハイブリッド車導入と比べるとまだ関心度で先行していない段階で、車両価格や充電設備費用が障壁として認識されています。本調査はコスト増減の実感を尋ねたものであり、特定の設備投資の費用対効果を検証したものではない点にご留意ください。
8. よくある質問
Q. 環境対応施策を行うとコストは下がりますか?
A. 今回の調査では、何らかの環境対応施策を実施している事業者(n=266)の54.1%が、施策の運用によってかえって運用コストが増加したと回答しています。一方で45.9%は「やや減少」「大幅に減少」と回答しており、施策の内容や実施状況によって効果は分かれます。導入前に費用対効果を見積もることが重要です。
Q. 商用車の運用コストが増加している最大の要因は何ですか?
A. 運用コストの増加を実感している事業者(n=264)の59.5%が「燃料費の高騰」を最大の要因として挙げています。次いで車両メンテナンス費(13.6%)、保険料・税金・法定費用(12.5%)と続きます。
Q. 商用EV導入の最大の障壁は何ですか?
A. 「車両本体価格が高い」が42.8%で最多、次いで「充電設備設置費用が高い」29.3%、「公共充電設備の少なさ」28.2%でした。車両価格・充電インフラの両面がコスト・整備上の障壁として認識されています。
9. まとめ
- 商用車を運用する企業の77.4%(n=341)が、直近3年間で運用コストの増加を実感。最大要因は「燃料費の高騰」(59.5%)
- 環境対応施策を実施している事業者(n=266)の54.1%が、施策運用によりかえってコストが増加したと回答
- 今後最も強化を検討したい施策は「エコドライブ・運行管理の最適化」(39.6%)
- 商用EV導入の障壁は「車両本体価格の高さ」(42.8%)「充電設備設置費用の高さ」(29.3%)が上位
本調査では環境対応施策を実施している事業者の54.1%が運用コストの増加を実感しており、環境対応とコスト最適化の両立は簡単ではありません。商用EV導入時の車両価格・充電設備費用という初期費用の負担は、補助金の活用や計画的な充電インフラ整備によって軽減できる場合がありますが、運用コストそのものの削減を保証するものではない点にご留意ください。CUBE-LINXの「商用EV・充電器導入支援サービス」では、補助金申請の支援から導入計画の策定、充電量やコストを最適管理するエネルギーマネジメントシステム(EMS)の導入、運用分析までをワンストップでご支援しています。商用EV・充電インフラ導入のご相談はこちら。
関連する調査記事として、業務でEVを運転する人の実態調査の記事、物流業界のグリーン調達に関する実態調査の記事もあわせてご覧ください。
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