EV補助金の増額、知っている都民は3割――知る人の約半数が関心アップも、半数超が「充電」に不安【自社調査】
結論から言うと、2026年度にEV補助金の上限額が増額されたことを知っている都内の自動車保有者は30.8%(n=1,071)にとどまりました。 一方、増額を知っている人に限ると、国のCEV補助金と東京都のZEV補助金の見直しでEVへの関心が高まった人は49.7%、何らかの行動を起こした人は50.0%(いずれもn=330)にのぼります。ただし、購入費用の負担が軽くなってもなお、52.4%が「充電」に関わることをEV購入の不安に挙げ、今後の購入候補としてEVを挙げた人は36.1%で、ハイブリッド車(58.8%)を下回りました。
株式会社CUBE-LINXは、自動車を保有する都民1,071名を対象に「EV補助金の見直しに伴う都民の意識と行動の変化に関する実態調査」を実施しました。本記事では調査結果の詳細と、そこから見える「補助金だけでは越えられない壁」、そして社用車のEV化を検討する法人・個人事業主にとっての示唆を整理します。
目次
調査の背景:国と東京都のEV補助金が同時に拡充
2026年度は、EVの購入補助が国・東京都の双方で大きく拡充されました。
| 補助金 | 実施主体 | EVの補助上限額 | 主な対象 |
|---|---|---|---|
| CEV補助金(クリーンエネルギー自動車導入促進補助金) | 国(経済産業省、執行団体は一般社団法人次世代自動車振興センター) | 最大130万円(従来は最大90万円) | 自家用の車両を購入する個人・法人など |
| ZEV車両購入補助金 | 東京都(申請窓口はクール・ネット東京) | 最大130万円(2026年7月1日以降の初度登録分。従来は最大100万円) | 都内に住所がある個人、都内に事業所がある法人・個人事業主など |
東京都は2026年6月24日、EVの補助上限額を最大100万円から130万円に、PHEVを最大85万円から115万円に引き上げると発表しました(2026年7月1日以降に初度登録・初度検査された車両が対象)。この2つの補助金は併用でき、都民にとっては「かつてないほど強い後押し」といえる状況です。
こうした変化が、実際に消費者の意識や行動をどこまで動かしているのか。それを確かめるのが今回の調査の目的です。
CEV補助金の受付終了見込み(2026年12月上旬〜下旬目処)や申請の注意点は、CEV補助金(車両)はいつまで?で詳しく解説しています。
調査概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査名 | EV補助金の見直しに伴う都民の意識と行動の変化に関する実態調査 |
| 調査期間 | 2026年9月8日〜9月9日 |
| 調査方法 | インターネット調査 |
| 調査対象 | 自動車を保有する都民(20代〜60代の男女) |
| 調査人数 | 1,071名(設問2以降は、EV補助金の増額を知っている330名が対象) |
| モニター提供元 | RCリサーチデータ |
| 実施 | 株式会社CUBE-LINX |
※回答比率は小数点第二位を四捨五入しているため、合計が100.0%にならない場合があります。
EV補助金の増額を「知っている」は30.8%
「今年度、EV(電気自動車)補助金の上限額が増額されたことを知っているか」を尋ねたところ、「知っている」は30.8%、「知らない」は69.2%でした(n=1,071)。

国と都が同時に上限額を引き上げたにもかかわらず、自動車を保有する都民の約7割には、まだその情報が届いていないことになります。補助金の拡充は、知られなければ購買行動を動かせません。この「認知の壁」が、今回の調査で最初に見えた課題です。
増額を知る人の7割が「CEVとZEVは併用できる」ことを知っている
増額を知っている330名に、「国のCEV補助金と東京都のZEV補助金の2種類を併用できることを知っているか」を尋ねたところ、「知っている」が70.0%、「知らない」が30.0%でした。

増額を知っている層は、併用の仕組みまで比較的よく理解しています。裏を返すと、増額を知っていても3割は併用できることを知らず、受け取れる補助額を小さく見積もっている可能性があります。
補助金の見直しで「EVへの関心が高まった」は49.7%
続いて、「国のCEV補助金と東京都のZEV補助金の見直しにより、EVへの関心はどのように変化したか」を尋ねました(n=330)。
| 回答 | 比率 |
|---|---|
| 非常に関心が高まった | 18.8% |
| やや関心が高まった | 30.9% |
| 変わらない | 37.6% |
| やや関心が低下した | 7.3% |
| 非常に関心が低下した | 5.5% |

単独で最も多いのは「変わらない」(37.6%)ですが、「非常に関心が高まった」(18.8%)と「やや関心が高まった」(30.9%)を合わせると49.7%と約半数になり、「関心が低下した」の合計(12.8%)を大きく上回ります。補助金の増額は、知ってさえいればEVへの関心を引き上げる力を持っているといえます。
半数が何らかの行動に。最多は「情報収集」、購入・契約まで進んだのは10.9%
「CEV補助金とZEV補助金の見直しをきっかけに、EVに関して起こした具体的な行動」を尋ねたところ(n=330、複数回答可)、「特に行動は起こしていない」は50.0%で、残る半数は何らかの行動を起こしていました。
| 行動 | 比率 |
|---|---|
| インターネットやカタログで情報収集をした | 29.7% |
| 見積もりをとった | 15.5% |
| 試乗をした | 13.3% |
| 販売店やディーラーを訪問した | 12.7% |
| EVの購入・契約をした | 10.9% |
| その他 | 0.6% |
| 特に行動は起こしていない | 50.0% |

最も多いのは「情報収集」(29.7%)で、見積もり・試乗・販売店訪問がそれぞれ1割台、購入・契約まで進んだ人は10.9%でした。補助金は検討の「入り口」を広げている一方、多くの人はまだ情報を集めている段階にあることがわかります。
補助金があっても残る不安、半数超が「充電」
「補助金によって購入費用の負担が軽減された場合でも、EVを購入するうえで不安や懸念に感じることは何か」を尋ねたところ(n=330)、結果は次のとおりでした。
| 不安・懸念 | 比率 |
|---|---|
| 外出先での充電設備の不足 | 20.6% |
| 自宅への充電設備の設置の難しさ | 18.2% |
| バッテリーの劣化や交換費用 | 17.3% |
| 充電にかかる時間の長さ | 13.6% |
| 下取り価格(リセールバリュー)の低さ | 9.4% |
| 航続距離の短さ | 8.5% |
| その他 | 0.9% |
| 特に不安や懸念はない | 11.5% |

「外出先での充電設備の不足」(20.6%)、「自宅への充電設備の設置の難しさ」(18.2%)、「充電にかかる時間の長さ」(13.6%)という充電に関わる回答を合計すると52.4%と、半数を超えました。「特に不安や懸念はない」は11.5%にとどまります。
補助金が解消できるのは主に「購入費用」の問題です。充電の場所・設置・時間という不安は、補助金だけでは解消されないことが、この結果からはっきりと読み取れます。なお、CUBE-LINXが業務でEVを運転する人を対象に行った別の調査でも、最大の不安は「バッテリー切れ」、最も大きな課題は「充電スタンドの不足」でした(EV利用実態調査)。個人の購入検討でも業務利用でも、充電が共通の壁になっています。
今後の購入候補、EVは36.1%でハイブリッド車が最多
最後に、「今後自動車を購入する際に、選択肢に入る自動車の種別」を尋ねました(n=330、複数回答可)。
| 種別 | 比率 |
|---|---|
| ハイブリッド車(HV) | 58.8% |
| ガソリン車 | 40.6% |
| プラグインハイブリッド車(PHEV) | 36.4% |
| 電気自動車(EV) | 36.1% |
| ディーゼル車 | 16.1% |
| 燃料電池車(FCEV) | 13.0% |
| その他 | 0.9% |

補助金の増額を知っている人であっても、最も多く選択肢に挙がったのはハイブリッド車(58.8%)で、EVは36.1%と4番目でした。PHEV(36.4%)とEVがほぼ同水準である点も特徴です。充電への不安が残るなかで、「充電に頼らなくても走れる」電動車が選ばれやすい状況がうかがえます。
調査から見える3つの壁
今回の調査結果を、EV普及の流れに沿って整理すると、次の3つの壁が見えてきます。
| 段階 | 調査結果 | 見えてくる壁 |
|---|---|---|
| 知る | 増額を知っているのは30.8% | 認知の壁:補助金の拡充が約7割に届いていない |
| 関心を持つ・動く | 知る人の49.7%が関心アップ、50.0%が行動 | 補助金は「入り口」としては機能している |
| 選ぶ | 52.4%が充電を不安視、購入候補のEVは36.1% | 充電の壁:費用以外の不安が最終判断を左右している |
つまり、補助金は「知ってもらう」ことと「充電の不安を減らす」ことがセットになって、はじめてEVの選択につながると考えられます。
社用車のEV化を検討する法人・個人事業主への示唆(CUBE-LINXの見解)
今回の調査対象は自動車を保有する都民(個人)であり、法人の意向を直接測ったものではありません。そのうえで、商用EV・法人EVの導入を支援してきたCUBE-LINXの立場から、社用車のEV化を検討する法人・個人事業主にとっての示唆を整理します。
1. 都内の法人・個人事業主も、国と都の補助金を組み合わせられる場合がある
東京都のZEV車両購入補助金は、都内に事業所がある法人・個人事業主も対象です。営業車など自家用(白ナンバー)の乗用車であれば、国のCEV補助金との併用を検討できます。一方、運送事業などで使う事業用(緑ナンバー)の車両はCEV補助金の対象外で、トラック・バン等は環境省の「商用車等の電動化促進事業」(LEVO補助金)が対象になります。自社の車両がどちらに当たるかを最初に確認しておきましょう。LEVO補助金の受付状況はLEVO補助金の予算残高と最新受付状況で解説しています。
2. 「充電の壁」は、法人の方が自社で越えやすい
個人が不安に挙げた「外出先の充電設備の不足」「自宅への設置の難しさ」は、法人にとっては自社拠点に充電設備を計画的に整備することで、運用面からかなりの部分を管理できる課題です。社用車は走行ルートや駐車時間が比較的読みやすいため、夜間や休憩時間に拠点で充電する運用を組めば、外出先の充電に頼る場面を減らせます。ただし、充電の時間帯によっては電気の基本料金が上がるおそれがあるため、充電設備は台数・出力・充電時間帯を含めて設計することが重要です。考え方は「デマンド値」のワナと賢い充電戦略と運送業向けEV充電戦略、充電器の選び方はEV充電器導入、何から始める?をご覧ください。
3. 補助金の受付期間を逆算して動く
CEV補助金は、2026年12月上旬〜下旬を目処に受付終了の見込みが示されています。東京都のZEV補助金は初度登録日から1年以内が申請期限です。今回の調査で行動を起こした人の多くが「情報収集」の段階にとどまっていたように、検討から納車・申請までには時間がかかります。車両と充電設備の手配を並行して進め、受付期間に間に合うかを早めに確認しておきましょう。
よくある質問
Q. EV補助金の増額を知っている人はどのくらいいますか?
A. 本調査では、自動車を保有する都民の30.8%が、今年度EV補助金の上限額が増額されたことを「知っている」と回答しました(n=1,071)。約7割は知らないという結果です。
Q. 補助金の増額で、EVへの関心は高まったのですか?
A. 増額を知っている人のうち、「非常に関心が高まった」(18.8%)と「やや関心が高まった」(30.9%)を合わせて49.7%が関心が高まったと回答しました(n=330)。最も多い単独回答は「変わらない」(37.6%)です。
Q. 補助金があっても、EV購入をためらう理由は何ですか?
A. 最も多いのは「外出先での充電設備の不足」(20.6%)で、「自宅への充電設備の設置の難しさ」(18.2%)、「充電にかかる時間の長さ」(13.6%)と合わせ、充電に関わる不安が52.4%を占めました(n=330)。
Q. 法人でも国のCEV補助金と東京都のZEV補助金を併用できますか?
A. 東京都のZEV補助金は都内に事業所がある法人・個人事業主も対象で、自家用(白ナンバー)の乗用車であれば国のCEV補助金との併用を検討できます。事業用(緑ナンバー)の車両はCEV補助金の対象外のため、トラック等はLEVO補助金を確認してください。要件や補助額は車種・登録時期によって異なるため、各補助金の公式情報で確認が必要です。
まとめ
- EV補助金の上限額が増額されたことを知っている都内の自動車保有者は30.8%にとどまる
- 増額を知る人の70.0%がCEV補助金とZEV補助金の併用を知っており、49.7%がEVへの関心が高まった
- 増額を知る人の50.0%が何らかの行動を起こしたが、最多は情報収集(29.7%)で、購入・契約は10.9%
- 購入費用の負担が軽くなっても、52.4%が充電に関わる不安を挙げる
- 今後の購入候補はハイブリッド車(58.8%)が最多で、EVは36.1%
- 補助金の効果を引き出すには、「知ってもらうこと」と「充電の不安を減らすこと」がセットで必要
補助金で車両の購入費用が軽くなっても、充電の計画がなければEVは使いこなせません。CUBE-LINXの「商用EV・充電器導入支援サービス」では、営業車や配送車など商用車両のEV化を検討する事業者向けに、充電設備の計画策定から補助金申請の支援、エネルギーマネジメントシステム(EMS)の導入、継続的な運用分析までをワンストップで提供しています。社用車のEV化を検討し始めた段階から、お気軽にご相談ください。
※本記事の制度情報は2026年10月1日時点で確認したものです。補助金の要件・補助額・受付期間は変更される場合があります。申請にあたっては、次世代自動車振興センター、クール・ネット東京等の公式情報をご確認ください。本調査は自己申告に基づくインターネット調査です。
調査結果の全文:PR TIMES「EV補助金の増額を知る都内の自動車保有者の約半数が、国のCEV補助金と東京都のZEV補助金の見直しによってEVへの関心が高まったと回答!」
参考資料
- 東京都 報道発表「EV・PHEVの補助上限額一部引上げ」(2026年6月24日)
- クール・ネット東京「ZEV車両購入補助金(EV・PHEV)」
- 一般社団法人次世代自動車振興センター「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(車両)申請受付終了見込み時期について」(2026年9月4日)
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